ご紹介

FANO(ファーノ)は、広島に贈られた折り鶴の再生紙を利用してデザインした扇です。

涼しい風をおくるものとしてだけではなく、平和貢献や社会貢献にご関心をお持ちの企業や団体の皆さまに向けコンサートやイベント、キャンペーンなどに、意味のある唯一のノベリティにもなります。

日本はもとより世界中から届けられる思いのこもった千羽鶴。その数は年間1千万羽、重さにして10トンにもなります。広島市のイニシアティブではじめられた、折り鶴に込められた平和への思いを昇華する取り組み。折り鶴を折り、贈って下さった世界中のみなさんへ、日本人ならではのアイデアと技術を活かして、感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

FANOとして生まれ変わった折り鶴たちが、平和の風を世界中に届けてくれるよう、わたしたちは願っています。

プロデューサーからのメッセージ

これは団扇でもなく扇子でもありません。風を手動でおくるものです。音の響きがよく心地よい気分になります。

我々がこれを世に送り出すきっかけとなったのは2014年8月15日、終戦記念日にフランスのアビニョンで、なぜか導かれる様に出会ったことから始まりました。

約100年前のツールドフランスの大会時に観客やスポンサー等に配られたノベルティの様なものだったのでしょう。

それは丁度1900年ごろのフランス絵画の印象派に属するマネ、モネ、ドガ、ルノワール、ゴッホ等が「ジャポニズム」に熱狂し日本の浮世絵からインスピレーションを受け様々な日本の文化や手法、生活具等に憧れ彼らの作品の中に表現した時代でもありました。

それらは絵画の世界だけでなくファッションにもジャポニズムブームが深く影響していました。彼らはその時代から日本人が日常に使っている団扇や扇子がどうやら気に入ったようで絵画の中でも様々に描かれています。それが「ベル エポックの時代」と言われるようになりました。そこからの流れなのか、このFANOの原型が存在していたのです。

我々が忘れてはならない毎年8月6日に広島平和記念公園で記念式典が行われます。原爆の子の像には日本中、世界中から千羽鶴が平和の祈りと共に贈られてきます。それらは年間10トンにもなる皆からの大切な折り鶴です。この折り鶴は最終的には何か他のものにリサイクルされ、それらが誰かの役に立ち、幸せな気持ちになるものに蘇えらせるのが理想的なのだと思います。

そして現在、(株)日誠産業が魂のこもった原料をリサイクルすることで繊維や紙等になっており、(株)カミーノがそれらを企画開発、販売を行っています。

そんな素晴らしく意味のある折り鶴から作ったFANOの原型は2014年8月15日フランスから日本へ持ち帰えられ、それらの活躍した美しい時代の風を再びこの千羽鶴の思いと共に2015年日本で蘇らせました。

世の中に存在するもの全ては過去に戻れない。しかしその精神や願い、想いは受け継がれていくものです。

この天からの啓示に感謝し世界の平和を願いをHIROSHIMA 70THにおくります。

2015年 7月  プロデューサー 田辺三千代

田辺三千代 プロフィール

静岡県生まれ。文化服装学院デザイン科卒業後パリ遊学。アパレル会社プレスを経て1984年メンズデザイナー菊池武夫と共にTAKEO KIKUCHIブランドをチーフプレスとして支える。

1999年

山梨県西湖にCAFÉ Mをオープンさせ、それまでマイナーなイメージだった西湖を内外から認知してもらう。

2002年

株式会社ジュンのPR室顧問として2010年まで在職する。

2005年

既存の紙皿には和食は似合わないと思い、環境にやさしくスタイリッシュなWASARAを発案・プロデュース。現在世界中で販売されている。
WASARA公式ページURL: http://www.wasara.jp/

2012年5月

マガジンハウスから出版された「菊池武夫の本」に深く関わる。

2012年11月

菊池武夫の旗艦店オープンに伴いキュレターとして参加。

2015年4月

株式会社カミーノの再生パルプ商品開発プロジェクトに参加、プロデュース進行中。